『レフトビハインド』の感想・レビュー(ネタバレあり)
私(もふ)が記念すべき一回目の映画レビューをする『レフトビハインド』は、あのニコラスケイジが主演でパニックディザスターの大作である!…と言いたいところであるが、その実態は「本当にこの作品でいいのか?」、「もっと適切な作品があったんじゃないか?」、と疑念しかないスタートを切ってしまったと思わせるようなロクでもない映画であった…
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
・あまりにも強引かつ謎なストーリー展開
・まったくスリルの煽られないスリラー
・ニコラスケイジが出ている(★一つ分)
ストーリー・演出
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・緊張感に欠けてる上にテンポも悪い
・敬虔なキリスト教徒だけが天国で幸福に暮らせる
・場面のほとんどが飛行機の機内ばかりで手抜き感満載
・一応人々が突如消失してしまうというパニックスリラー的セオリーは抑えてる
キャスト
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
・ニコラスケイジが出ている(重要)
・お世辞にも上手いとは言えない演技
・肝心のニコラスケイジは基本的にコクピットで座ってお話してるだけ
終わり方:ブツ切りで余韻などない
111分
2014年公開
何というか、なんで最初のレビューにこれを持ってこなきゃいけないのかっていう気持ちしか湧いてきませんね。まあ共同管理者のらとさんの熱い要望にお応えした結果なので仕方ないんですが…
取りあえずネタバレ載せときます。
まあ、大概薄っぺらいストーリーなんでササッと大まかに書き流します。
〇ストーリー(ネタバレ注意?)
主要人物は以下の通り
・レイフォード(パイロット)
・クローイ(レイフォードの娘)
・アイリーン(レイフォードの妻)
・バック(ジャーナリスト)
・ハティー(CA、レイフォードの浮気相手)
まあこんだけ覚えてれば十分でしょう。他の人たちは特には要らない。
レイフォードはお仕事が忙しくてクローイのお誕生パーティに出席できないし、アイリーンはキリスト教に熱狂的にハマってしまう。そんな崩壊気味な有様の家庭にツラくなってあろうことかレイフォードは娘の前でハティーとイチャイチャしたりする。
クローイも父親の不貞とか母親のイカれっぷりに嫌気がさしていた。そんな中幼い弟を連れてショッピングモールに遊びに行ったところ、いきなり服だけ残して弟が消えてしまう。その消失現象は弟に限ったことではなくモール全体、それどころか世界中で発生していることがテレビで伝えられる…
もちろんレイフォードの機内でも同じことが起きていて、副機長や子供たちが消え失せるなどパニックに包まれていた。そんな中、パイロットを消失した別の飛行機が突っ込んできてエンジンを損傷、かなりやばい状況になり引き返すことを決める。 (ここまでが割とワクワクしながら観られるところ)
一方のクローイはというと母親まで消えてレイフォードの飛行機は墜落したと思って絶望。一応神父のところに行ってみると、大量消失についての驚愕(笑)の真相についての意見を語ってくれる。それはキリスト教を心から信じている人たちは聖書の通りに終末の日を目前に天国に行ってしまったというものだった。機内のレイフォードも消えた人たちの荷物を漁って同じことを悟った。
やっぱり絶望してるクローイは自殺しようとしたが、直前にバックからの電話でレイフォードの生存を確認、思いとどまってレイフォードの飛行機の安全な着陸のバックアップに回る。学生のクローイが、一人で、滑走路の工面をしてなんか飛行機は着陸に成功。無事親子は再会して「これが終わりの始まりだ」的なテンプレのセリフを吐いて終わる。
〇感想
あー…うん。観なくていいです。
まずキリスト教の露骨なプロパガンダって時点でほとんどの人は感情移入して観ることなんてまずできません。
それどころか映画の質自体がかなり低いためキリスト教徒でも全然楽しめないんじゃないですかね…
まず演出、せっかくニコラスケイジを使っているのにその登場シーンのほとんどが操縦室で座っておしゃべりしてるだけ。しかも他の役者の演技がかなり粗末でキツいです。
あと訳が分かんなくて面白かったのは、クローイが滑走路を整えるシーン。
・なぜか学生が重機を難なく操作することができる
・たかだか二車線もない程度の幅の道が滑走路代わりになる
・道の上にあったコーンなどの障害物は軽くどかした程度で、明らかに着陸不可能
・レイフォードが場所を把握するための目印は火柱
しかもいざ着陸するとなると飛行機は炎の中に突っ込んできて、降りるときも「みんな早く降りて!」とか言ってるし爆発フラグだなーと思っていると、乗客たちは降りた飛行機の目の前で一息つき始めて「おいおい大丈夫か?」とか心配させられたけど(こんなところで視聴者おどかしてどーすんの)、爆発しません。
ストーリーについてはまあ、何度も言及したとおりに「キリスト教徒は助かるよ!」ってだけの話で、意外性は(悪い意味で)あるにしても妥当性とか感動できる要素は皆無に近いと言っていいですね。そもそも狂った母親は救済されて、飛行機墜落阻止のために奔走するような娘が救済されないって…天国に行ける人間の人選ミスってませんか?そういうのって人格で決めるものじゃないですかね?(もっと言えば万人平等が教義では…?)
まあ、ざっとこんな映画です。どうやら実際にキリスト教徒からの反応も悪いみたいで、本来は三部作構成だったのが頓挫したみたいですね。ニコラスケイジはなんでこんな映画に出てしまったんだ…
(作成者:もふ)